旅の記録とか

旅行記など適当に。

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 柱廊を抜けてモスクへ。細長いモスクの中は大勢の信者、そして観光客でいっぱいだ。祈りの時間ではないけど、中央の柵内では男達が、そして柵の外では女達が数珠を手に、また目を閉じて一心に祈っている。でも子供たちは元気いっぱい。柵を乗り越えたり水盤に昇ったりして遊んでいる。なんだかおおらかだ。

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 写真左手、モスク中央よりやや南側に、中を緑色のライトに照らされたガラス張りの霊廟らしきものがある。ヨハネの首塚だ。黙示録を著したヨハネではなく、イエス・キリストに洗礼を施したバプテスマのヨハネ(洗礼者ヨハネ)のものである。絵画や劇の題材として有名な『ヨハネとサロメ』の、あのヨハネだ。
 ヘロデ王の後妻の謀略により処刑され、切り落とされたヨハネの首がここに納められている。ちなみに身体がどこに葬られたかは伝承がなく、謎のままだそうだ。
 サロメに関しては古今東西、ドラマティックに脚色された作品が多々あるが、聖書のわずか数節からあそこまで物語を展開させた作家の方々の才能には恐れ入る。美女というのは今も昔も人々の想像力を掻き立てるものらしい。

 蛇足だが、私がいちばん好きなサロメの物語は塩野七生の『サロメの乳母の話』である。賢くしたたかなサロメの姿が乳母の目を通して語られる短編だが、収録された他の作品も面白いのでおすすめ。

 ヨハネといえば、彼がイエスに洗礼を授けたのは長らくヨルダン川(東岸)とされていたが、近年の発掘でヨルダン川に注ぐ支流のひとつであることが分かった。トロイのように、何層にもわたって教会が建設された跡が発見されたそうだ。洪水で流されるたびに作り直したのだという。それだけ重要な教会=ヨハネの洗礼所跡に建てられた教会だろう、というのが根拠のひとつらしい。ヨルダン人のガイドさんによれば「ヨルダン川は今も昔も泥水だが、支流は綺麗だ」とのこと。やっぱ川に全身浸けられるんだったら泥水より清流だよな。

 大昔、中高とプロテスタントの学校で聖書を学んだ。今回の旅行では、聖書の舞台をいくつか回った。今までもトルコやエーゲ海の島々でイエスや弟子たちの足跡を見て回ったが、物語の舞台をこうして目の当たりにすると、やはりなんだかもう、うまく言えないけどとにかく感無量だ。キリスト教はこんな乾いた厳しい自然の中で生まれた宗教なんだなあ。
 ついでにおまけ。
 イエスたちが実際話した言語(西方アラム語)は既に失われているが、その親戚の東方アラム語はシリアの一部で今も使われている。ガイドブックには「イエスと同じ言葉を話している村」と紹介されているが、厳密には違う。 このページのトップへ

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jarash
  • Author: jarash
  • 遺跡好きの旅行記

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